月と夕日を背に、船は東へと進む。
誰もいない海を抜け、
次の新しい世界、松山に向かって。



再び私たちが来る事を、あなたは望んでいますか。



月に追われるようにフェリーは進む。



全てを黄金色に染め上げて、
太陽はこの地を出て行った。



消えゆく一日が放つ、
最後の魔法。



辛い事があったらフェリーに乗って夕日を見ればよい。
苦しい記憶は逆光で見えないし、
悲しい声は波の音で聞こえない。



やがて日は沈む。
それは何億年も繰り返されて来た儀式。



海は人間を生んでくれた親なのだから、
時として理不尽な思いもするけれど、
多くの時間は感謝しています。



助けたいという思いは、
全ての人間に備わった機能。



輝ける白い粒に目を細めた。



そして甲板の人々は、思い思いに過ごした。



ほら、防波堤を境にして波の形が違うよ。