見あげれば、さわれそうなほどの星空。
こんなに多かったんだね。



僕たちは銀河の果てで、
毎日、何をやっているのだろう。



明日はいよいよ槍ヶ岳の頂上だ。
期待と少しの不安を胸に、
非現実的な今宵の夜は、
ふけていった。



早朝4時。透き通るような空。
いよいよ今日だ。
頂上を目指して、歩き出そう。



眩しい朝日の方向に、
目指す山がある。



だいぶ登ってきたね。
青い空に、笠ヶ岳。
今日は良い登山になりそうだ。



稜線の向こう側はどうなってるのか。
あの不思議な木には、見えているのかな。



あの山に向かって、深呼吸をしよう。
肺の先に、腹の底に、心の奥にまで、
届くように。



シャワーのように降り注ぐ朝日。
まばゆい朝。現実感は遠くなる。



山に比べたら、人はいかに小さいか。
僕たちは、登らせてもらっているのだ。



飛騨沢は天国のような世界だ。
日本ではないみたい。



稜線をゆく登山者たちが見える。
アルプスのスケールに目眩がした。