旅のはじまり 真夏の北アルプス・槍ヶ岳 狭き頂上を目指して




どこからみてもその鋭い三角錐は変ることがない。
それは悲しいまでにひとり天をさしている。 ――― 深田久弥「日本百名山」より





北アルプスの槍のような山、
槍ヶ岳へ行ってみよう。
日本で5番目に高くて狭い、
頂上を目指して。



手を振っているみたいに、
透き通る葉がキラキラと揺れる。



林道に落ちる夏の影。
揺れる木の葉の中を進む。



ふと見上げて目を細める。
夏の色、夏の匂い。
いつかの夏休みを思い出すね。



ゆっくり登ろう。
急がないほうが、この現代では難しいのだから。



点在する木の階段。
身を削り、登山者たちを安全に送る。



暗い陰でそっと咲く花の美しさは、
恐いほどだ。



影を踏み、風を受け、
緑をかき分けて、夏の山へ。



これがあるからこそ、
僕たちは安心して進めるのです。



獣道のような山道。
今は細くとも、信じて登れば
いつかは山頂へ、たどり着ける。



今日は、槍平小屋でテント泊。
山の中では、光と食べ物の、
ありがたみが増す。