老朽化が進みすぎ、取り壊すことも危険。
この建物たちは死ぬ事すら叶わない。



果てしない未来の姿は、誰にも分からないのだ。



そして今日も忘れ去られてゆく。



エメラルドグリーンの鉄道。
安らかに眠る車両達。
レールの鈍い輝きに目を細める。



琥珀色の道路。
ゆっくりと流れる車達。
けだるいエンジン音を聞きながら、
長崎の最後の夜は更けた。



長崎空港の展望デッキ。
旅を振り返るにはちょうど良い寂しさが
そこにある。



長崎は時間が足りないくらい、
素敵な街だった。
さあ東京でまた頑張ろう。



長崎の街よ、さようなら。



沈みゆく夕日は、旅の終わりを告げた。
飛行機のシートに深くもたれ、心を閉じる。
いつかまた始まる、旅の朝日まで。