旅のはじまり 松山という古き良き街 下灘駅ー道後温泉

 

 
 
 
おれはここへ来てから、毎日住田の温泉へ行く事に極めている。
ほかの所は何を見ても東京の足元にも及ばないが
温泉だけは立派なものだ。 ――― 夏目漱石 「坊ちゃん」より
 
 
 
 



JR予讃線の下灘駅を見たい。
そのために遠くフェリーを経て、ここまで来た。
松山の街に行こう。



静かな松山駅。
帰路へ着く人々。
さてどうしようか。



函館、福井、京都、長崎。
路面電車がある街に惹かれてしまう。



タイムスリップしたような車内。
時間を歪ませながら電車は走る。



寂しさは光のなかに置いてきた。



いくつの指を受け止めてきたの。



停留所で降り、路面電車を見送る。
鈍く光るレールだけを残し、暗闇に消えて行った。



知らない街で貴重なのは一日目。
二日目には、ちょっと知っている街になってしまうから。



飛行機、電車、フェリー、そしてレンタカー。
旅は移動だ。



海辺を走ろう。潮風に乗ろう。
車の窓は、全開で。



見えた。
自然と同化する、あれが下灘駅だ。