旅のはじまり 春の丹沢・檜洞丸登山 新緑のブナの木を探す





野も山も新緑で、はだかになってしまいたいほど温く、
私には、新緑がまぶしく、眼にちかちか痛くって、ひとり、いろいろ考えごとをしながら
帯の間に片手をそっと差しいれ、うなだれて野道を歩き、
考えること、考えること、みんな苦しいことばかりで息ができなくなるくらい、
私は、身悶えしながら歩きました。 ――― 太宰治 「葉桜と魔笛」より






丹沢は新緑の季節。
檜洞丸の頂上へ、
ブナの木を見に行こう。



登山口から少し入るだけで、
そこはもう、異空間。



見あげれば、透き通る緑たち。
都会で固まった心が、
溶けてゆく。



静かな登山道をゆく。
聞こえるのは、葉がこすれる音だけだ。



緑は幸せで平和なカラー。
それは100年後も、きっと。



ブナの木は落葉樹。
なので秋に来れば、紅葉も楽しめます。



疲れた頃に現れる、ゴーラ沢出合。
休んで座れるような、大きな石を探そう。



水の綺麗さ、冷たさ、美味しさが、
ただただ嬉しい。



さあ、また歩こう。
疲れるには、まだ早いよ。



高度を上げるたびに美しくなる緑。
もっと登ったら、どうなってしまうのだろう。



ここは緑だけの世界。
ロジックもプレッシャーも、
なにもない。